香港でのアサギマダラ再捕獲3例目の正式報告

日本で標識されたアサギマダラは、日本国内で再捕獲されることが多いですが、外国で再捕獲されることもあります。そのほとんどは台湾で、中国大陸での再捕獲はとても少ないです。最近、香港でのアサギマダラ再捕獲3例目の正式報告が、The Journal of the Lepidopterists’ Societyに発表されましたので紹介します。

2024年8月18日に福島県北塩原村のグランデコスキー場で清水正良氏により標識されたオスが、 2024年12月21日に香港淺水灣でLING Yuet Fung氏により再捕獲されました。標識は「デコ 8/18 MSM 128」(紙のシール)で、3017kmを124日かけて移動したことになります。

再捕獲のニュースは、LING氏が所属する香港大学マダラチョウ研究会から、香港鳳園蝴蝶保育區や、台湾のアサギマダラ関係者から日本の関係者へ電子メールで伝わり、詳細がすぐに判明しました。アサギマダラは、国と国、人と人をつなぐ稀有なチョウですが、その特徴がいかんなく発揮された実例となりました。

日本では、アサギマダラのML、新潟日報などの新聞、アサギマダラの会総会、月刊むしの蝶類ニュース、日本鱗翅学会大会などで紹介されました。英文でも「Marking Survey on Chestnut Tiger Butterfly in Japan (日におけるアサギマダラのマーキング調査)」で簡単に紹介されていて、正式報告を参照してほしいことが記載されています。

この正式報告のタイトル、著者、書誌データは、Longest Record of Migration of Parantica sita niphonica (Moore, 1883) (Lepidoptera: Nymphalidae: Danainae) from Japan to Hong Kong、Yuet Fung Ling, Masayoshi Shimizu, Hiroki Takizawa, Fumiko Tahara, Emily E. Jones, Timothy C. Bonebrake, Itaru Kanazawa、The J. of the Lepidopterists’ Society, 80(2):130-134 (2026)です。

ちなみに、香港での再捕獲1例目は、2011年10月10日に和歌山県日高町西山(﨑山孝也氏標識)→10月20日に高知県香美市香北町谷相白尾林道(土居敬典氏再捕獲)→2011年12月31日に香港深水湾(潘 瑞輝氏再々捕獲)でした。2例目は、2013年10月18日に山口県下関市豊浦町リフレッシュパーク豊浦(福村拓己氏標識)→ 2013年11月16日に香港ビクトリアピーク(CHUNG On Ming氏再捕獲)でした。