アサギマダラの初見情報と春の訪花植物:山口県周防大島町

またまた情報が前後してしまいますが、山口県周防大島町の山本弘三さんから4月の初見情報が届いていますのでご紹介いたします。さらに春の訪花植物についても教えていただきました。山本さんによると、周防大島の外入フジバカマ園で4月25日、メスのアサギマダラがスイゼンジナに訪花していたとのことです。

スイゼンジナに訪花したアサギマダラ:山本弘三さん提供

 

周防大島は瀬戸内海の島の一つで、本州とは大島大橋で繋がっており、山口県の南東に位置しています。島というだけで魅力的ですが、その島ではよくアサギマダラが観察されており、山本さんを通しての報告は毎年たくさんあります。

 

アサギマダラの会の村上豊さんがまとめている「We love ! アサギマダラ情報 291号」「初見日情報 2021」(3ページ)によると、昨年の初見は4月27日(asagi:037295)ですので、今年は2日早いということになりますね。

 

山本弘三さんのコメントをお伝えしますね。春のアサギマダラがたくさん集まる植物も教えてくださいました。

 

「ここのフジバカマ園には野生種コバノフジバカマが約1000株以上植えてあり秋の南下時期にはアサギマダラが1000頭以上集まります。

春の北上時期にもアサギマダラに立ち寄ってほしいことから、最近訪花植物のスナビキソウ・スイゼンジナ・シマフジバカマなどを植栽しています。

春のアサギマダラはスナビキソウというのが定説ですが、前記の3植物を同じ場所に植えてみるとスナビキソウよりスイゼンジナの方がより好まれるようです。

スナビキソウ・シマフジバカマはPAを含んでいるため訪花はオスが中心ですがスイゼンジナには♂♀ともに訪花が見られます。

したがって春のアサギマダラの観察はスイゼンジナが一番有利です・・・」。

 

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余談ですが、長野県北アルプス山麓の私も、愛知県のアサギマダラ関係者から譲り受けたスイゼンジナを自宅で鉢植えにしていたのですが、寒冷地ですので冬の寒さで花を見ることもなくまた枯らしてしまいました。2回目の挑戦だったのですが・・・

 

下の画像は私が2016年12月から2017年の秋まで育てていたスイゼンジナです。春から秋の間にどんどん成長しました。北アルプス山麓でもこんなに成長したのには驚きました。紫色した葉っぱの裏が一枚見えますね。

 

夏の間に成長したスイゼンジナ:長野県北アルプス山麓で 2017年9月

 

最近、「コメリ」でスイゼンジナの苗を販売しているとアサギマダラの先輩から情報を得ましたので、早速近くのお店に行ってみましたが、残念ながらありませんでした。24ポット頼めば入手できるようですが、そんなに求めても冬に家の中で育てるのは非常に大変ですので、結果的に注文は諦めました。

 

福島県の友人からの連絡によると、「ハンダマ」「金時草」の名で販売されていたようです。福島県では入手できたようですよ!

 

スイゼンジナの葉っぱは栄養価が高いとお聞きしています。どうやら葉を食べる野菜として販売されているようですが、私はもっぱら観賞用にしていたので食べたことはありません。上の画像のように葉裏が紫色していますので、野菜の苗売り場などで探せば楽に分かるかも知れませんね。

 

山本さん、初見情報の他に貴重な植物情報を大変有難うございました。

山本さんのホームページ:「山本柑橘農園」・ブログ :「曜日のない暮らし

アサギマダラの初見情報:福岡県宗像市

情報が前後しますが、福岡県宗像市の前田秀敏さんから2件のアサギマダラの初見情報(asagi:04056)が寄せられていますので、ご紹介します。

福岡県宗像市公園通りで4月28日11時ごろ、スイゼンジナに飛来。崎村さんによると、「1時間くらい吸蜜していた」。

さらに、同市鐘崎織幡神社境内で同日16時ごろ、花田さんによって確認されています。「境内に植えているスイゼンジナに飛来するも横の木立に飛び去った」とのことです。

 

前田さんからコメントが寄せられています。

「二件目の目撃の鐘崎の織幡神社ですが、神社の総代他理事さんたちが皆さんでスナビキソウを育てておられます、五月のピーク時は30頭程度の飛来がありアサギマダラのファンの方々が来られるようになります、神社野参拝も増えて大変喜んでおられます。

神社関係者の皆さん、訪問者に対し毎日来て説明等ご案内されています」。

 

さらに、熱心な宗像アサギマダラの会の会員さんの情報です。
「当会の熱心な会員で、近くの「ふれあいの森」で産卵した卵にマークをつけて一頭一頭管理記録しており2020年と2021年二年間の観察をまとめをしてもらっています」。
前田さんから寄せられた昨年の初見情報(asagi:037270)では、2021年4月21日でした。どうやら今年は7日遅いようですね。
宗像アサギマダラの会には熱心な会員さんがおられるのですね。卵から成長するアサギマダラの今後や、まとまられる記録が楽しみですよね。
宗像アサギマダラの会の皆さんは、「FUK ムナカタ」などのマークを付けています。撮影されたり再捕獲された方は、「再捕獲者、再捕獲日、時間、再捕獲地、座標、天気」などの詳細をぜひご連絡ください。
宗像市で目撃されたアサギマダラは、さらに北上の旅を続けているいるのでしょうね。
前田さん、貴重な目撃情報や宗像の皆さんの様子を知らせてくださってありがとうございました。ぜひ織幡神社の皆さんの活動や、宗像アサギマダラの会の皆さんの活動などもご紹介くださいね。楽しみに待っています。

アサギマダラの初見情報:兵庫県神戸市

暑かったり、涼しくなったりしていますが、このような気温の変化の中でアサギマダラはどうしているのでしょうね?

兵庫県の渡辺康之さんを通して杠隆史さんから、アサギマダラの目撃情報が寄せられました。

杠さんは4月27日午前1110分、神戸市灘区鶴甲 表六甲ドライブウェイ道路上で、アサギマダラが1頭飛んでいるのを目撃したとのことでした。

渡辺さんによると「数年前に武庫川中流の武田尾(宝塚市玉瀬)の栗林で5月上旬にアサギマダラを目撃したことがあり、この時期の北上、東行の個体と思われます」とのこと(asagi:04057)。

渡辺さんご自身も425日、その付近のキジョランで5齢幼虫を確認しておられます。

さらに飼育していた幼虫は427日から羽化したので、マークして放したそうです。

2021年の兵庫県からの報告によりますと、4月30日に淡路市岩屋でスナビキソウに訪花するアサギマダラが確認されており(asagi:037289)、5月7日には豊岡市竹野町で、同じくスナビキソウで確認されています(asagi:037328)。

渡辺さんは「もうすぐ淡路島のスナビキソウ群落に集まるようになります」とおっしゃっていますので、お近くの皆さん、機会がありましたら淡路島のスナビキソウ群落を探してみてください。南からの貴重な数少ない北上個体出会えるかも知れません。

マークのついた個体を再捕獲したり撮影されましたら、ぜひ画像を添えてご報告ください。

杠さん、渡辺さん、貴重な情報に感謝いたします。

アサギマダラの初見情報:徳島県阿南市

大原賢二さんを通して、徳島県阿南市椿町の米山喜義さんからの初見情報がアサギML[asagi:04034]に届きました。

米山さんは、2022年4月19日14時頃、徳島県阿南市椿町須屋でスイゼンジナに飛来したアサギマダラを目撃したとのことです。

捕獲はできなかったとのことですが、大原さんの話では「飛来なのか,近くのキジョランからの発生個体か・・はわかりませんが、徳島県での2022年の春の第1号」とのこと。

先日は九州からのご報告でしたが、やっと四国で見ることができるようになったのは嬉しいことですね。

ちなみに、2021年の徳島県同所での所見情報は、4月23日となっています。アサギマダラの会の村上豊さんの調べた「We love ! アサギマダラ情報 291」3ページによりますと、2021年は「+4」なので、ここ3年間は以下のような記録となるようです。

「2020年4月19日、2021年4月23日、2022年4月19日」

実は米山さん、とっても頑張っておられて、2021年10月19日に、長野県軽井沢町長倉 花咲山蝶の楽園から土屋正治さんが標識した雄の個体「カル 7 9.30 208」を椿町須屋で再捕獲してくださっています([asagi:02208])。土屋さんが大変喜んだのは言うまでもありません。

アサギMLに寄せられた米山さんからの情報はもっともっとあり、書ききれません。

北上の個体も南下の個体も見ることができるとは、須屋はとってもいい環境なのでしょうね。

米山さんのマークは各地で再捕獲されたり、各地のマークを米山さんは再捕獲してくださっています。これからもっともっとアサギマダラが須屋で確認できるかもしれません。楽しみですね。

大原さん、米山さん、ご協力大変ありがとうございました。

アサギマダラの初見情報:長崎県長崎市小浦町

長崎県から18日、今季3頭目の初見情報がアサギMLに寄せられました。情報を提供してくださったのは長崎市の吉田政和さんで、[asagi:04033]に、スイゼンジナで吸蜜する、綺麗なオスのアサギマダラの画像が添付されていました。

翅のスレもなく、白い縁毛がはっきりしていますので、羽化後、そんなに経過していないのかも知れません。どこから来たのでしょうね?

実は私もアサギマダラ仲間からスイゼンジナの苗をいただき、大事に育てていたのですが、冬の寒さで枯らしてしまった経験があります。花を見ることもなく、とっても残念でしたが、この画像から花の様子まで観察することができ、大変嬉しく思いました。

吉田さんのご報告では気温17.5℃、曇りとのことです。アサギマダラはこのくらいの気温が好きなのでしょうね。

吉田さんは今回マーキングできなかったようですが、「昨年、初めて6頭をマーキングしました。今年は、もっと数を増やします。どこに飛んで行くのか判ったら嬉しいです」と、伝えてくださいました。北上の記録は少ないだけに再捕獲されたら嬉しいですね。

吉田さん、標識情報を楽しみに待っています。マーキングしましたらマークを教えてくださいね。ご協力大変有り難うございました。

アサギマダラの初見情報:熊本県上天草市

熊本県の益田勝行さんから17日、「天草の友人から、本日、アサギマダラが1頭飛来したとの連絡がありました」と、アサギML(メーリングリスト)[asagi:04032]を通して連絡が入りました。

場所は上天草市維和島です。

長野県の私は天草の位置はある程度知っていましたが、お恥ずかしながら維和島は知りません。慌てて Google Earth で確認し、維和島に黄色いポイントをつけました。

昨年の初見データを調べてみましたら、4月9日に益田さんによって維和島での初見情報が寄せられていました。8日ほど遅い初見だったようですが、益田さんのおっしゃるように「天草はアサギマダラの通過ルートのひとつのようです」。

実は私の Google Earth には 、黄色いポイントと赤い線がいっぱいなんです。アサギマダラの移動を記しているのですが、過去のデータを消去してないために、そうなってしまったんです。

その赤い線を見てみますと、熊本県の上を「長野県小谷村→台湾澎湖県」(2020年)や、「山形県蔵王→台湾基隆市」(同年)の2点間を直線で結んだ赤い線が通過しています。どちらも2200kmを超える距離の移動でした。

熊本県は北上だけではなく、南下のアサギマダラの通り道にもなっているのかも知れません。

益田さんは「熊本県内でも、アサギ・ファンは増えています」とのこと。本当に嬉しいことです。熊本の皆さんにもっともっとアサギマダラに関心を示していただき、こうした情報が増えて、謎の解明に一歩でも近づけたらいいですね。

益田さんと維和島のお友達の方、ご協力、大変有難うございました。

アサギマダラの初見情報:長崎県上五島町

この数日間、長野県ですら夏のような陽気でしたが、皆さんのところはどうでしょうか?

こんなに暑い日が続くと、アサギマダラは一体今、どこにいるのだろうかと考えてしまいますよね。

長崎県の野下広人さんから嬉しい情報が届きましたので、ご紹介させていただきますね。

[asagi:04029]【初見情報】上五島

本日、2022年4月10日

長崎県上五島(地図上は中通島)の高熨斗山

33°00’25.4″N 129°03’46.5″E(グーグルマップ)付近で

1頭目撃しました。

白いタオルに無反応。

 

野下さんがくるくるタオルでアサギマダラを誘引した状況が目に浮かびますね。

お仕事でお忙しくて、アサギマダラどころか他の昆虫もネタゼロとのことですが、こうした情報は格別嬉しいですよね。

皆さんのところではいつ初見日なのでしょうね?今年最初にアサギマダラを見た日と場所や状況などを、野下さんのようにぜひ教えて下さい。可能な限り座標もお願いしますね。

野下さん、貴重な情報をありがとうございました。お仕事頑張って下さいね。